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議論のレッスン / 福澤一吉 著

議論とはそもそも何なのか、建設的な議論をするためにどんな予備知識が必要なのかが解説されている本。

議論のレッスン / 日本放送出版協会 / 福澤一吉 著

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建設的な議論をするためには、議論のルールに則った論証をしなければならない。
論証とは、根拠から主張を導く行為のことである。根拠は、経験的事実(データ)と論拠に分けられる。経験的事実(データ)は、議論の際に明示的に触れられる根拠のことである。論拠は、経験的事実(データ)を支えるものであり、議論の際に触れられない隠された根拠・暗黙の仮定のことである。論拠は、主張する者にとっては、「当然で、あたりまえのもの」や一般常識、社会通念のことであり、さらに、別の言い方をすると「論証する必要のないもの」やバイアス、視点のことである。論拠によって、主観的に経験的事実(データ)が収集されることが決定される。経験的事実(データ)は、独立して存在するものではなく、論拠に依存しており、論拠によって主観的に意味が決定されるものである。

以下は、論拠が経験的事実(データ)の意味を決定している例である。

≪ある男が犯罪を犯したかどうかを判断する場合≫

論拠1 : 「自白は信憑性がある」
経験的事実(データ) : 男は「私がやりました」と自白した。

主張 : 「彼は犯罪人である」

論拠2 : 「自白は警察から強制されたものであり、信憑性がない」
経験的事実(データ) : 男は「私がやりました」と自白した。

主張 : 「彼は無実である」

つまり、経験的事実(データ)がまったく同じであるにもかかわらず、論拠(視点)を変えることで、正反対の主張が導き出せるのである。これが、論拠が経験的事実(データ)の意味を決定しているということである。

議論が噛み合わないときは、たいてい論拠がお互いの間で共有されていない。本書では、主に論拠に注目し、良い論証をするための方法が解説されている。しかし、議論の際、自分の論拠を認識しておくことは易しいことではないだろう。論拠を認識するとは、自分の思考そのものを客観的に把握し認識することであり、これはメタ認知能力が問われていることにほかならない。メタ認知能力は個人差が大きく、訓練しなければ伸ばすことができないと言われている。建設的な議論ができるようになるには、本書で解説されている予備知識の習得以外に、メタ認知能力も鍛える必要があるだろう。


テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

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