スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「伝わる!」説明術 / 梅津信幸 著

アナロジー(類推)を使って、ものごとを理解するための技術が紹介されている本。
私たちの脳は、簡単なことしか理解できない。難しいことを簡単なことにするためにアナロジー(類推)を利用しよう。

「伝わる!」説明術 / 筑摩書房 / 梅津信幸 著

⇒ Amazon.co.jp で詳細を見る

本書には説明するための技術というより、主にものごとをしっかり理解するための技術が述べられている。
説明が伝わらない理由は、自分自身がよくわかっていないからである。説明するときは、自分自身がしっかり理解した上で、説明しないと相手に伝わらない。
では、しっかり理解しているとはどういうことか?それは、ものごとの相互関係が見えていて、わかりやすい状態に変換して理解していることである。そのための技術として、本書では、アナロジー(類推)を使うことが提唱されている。

アナロジー(類推)とは、「類を参考に推すこと」である。すなわち、ベース(すでに知っている題材)とターゲット(理解しようとしている題材)の共通点を洗い出し(これを類という)、それを参考にターゲットを理解する(推す)ということである。

一例として、アナロジーのパターンの一つである「ニワトリが先か、卵が先か」を使って説明しよう。

会議で、開発部と営業部の間で、「わが社の製品をもっと売れるようにするにはどうしたらよいのか?」という議題で、次のような会話があったとする。

開発部 「もっと営業に力を入れる必要があると思います」
営業部 「こう言っちゃなんだが、製品が悪いから売れていないのでは?」
開発部 「!?製品はよく出来てますよ。あなたたち営業部がきちんと仕事してくれないから、売れないんですよ」
営業部 「!?ちゃんと営業してますよ。製品が悪いから売れないんですよ」
開発部 「きーっ!」
営業部 「きーっ!」

このようなとき、一方を立てれば、もう一方が立たない平行線をたどるような状況を指して、製品と営業の関係を「ニワトリが先か、卵が先か」と表現することがある。

アナロジーの定義にあてはめると、次のようになる。
ベース ・・・ 「ニワトリが先か、卵が先か」
ターゲット ・・・ 製品と営業の関係
共通点 ・・・ 一方を立てれば、もう一方が立たない平行線をたどるような状況。ニワトリ=製品、卵=営業 (ニワトリ=営業、卵=製品でもよい)

著者によると、アナロジーには頻出パターンがあり、10個のパターンを紹介している。現実世界の多くのものごとは、下記に示したパターンか、その組み合わせで成り立っていると主張している。

(1) 因果関係 : 「必要は発明の母」
(2) 兄弟関係 : 原因はいっしょで別の結果
(3) 共起関係 : いっしょに起こる
(4) じゃんけん関係 : 順序がループ
(5) トレードオフ : 自転車のギア、板挟み
(6) コントロール : 一つが他方を支配している
(7) ボトルネック : 一部が全体の容量、能力を決めている
(8) ピラミッド : 上に行くほど細く小さく
(9) 鏡の関係 : 実はそのものが見えている
(10) 無関係 : 何も関係がない

興味のある方は、本書を手にとって、それぞれのパターンの詳細を読んでみるとよいだろう。

話は変わるが、ソフトウェア開発の世界には、デザインパターン(設計パターン)というものがある。デザインパターンとは、優れたプログラムで繰り返し使われる設計ノウハウを汎用的な構造に抽象化した設計パターンのことである。ソフトウェア開発者は、他人の書いたプログラムコードを読むとき、この機能ではどんなデザインパターンが使われているのかを意識しながら読むことがある。すなわち、ベース(デザインパターン)を利用して、ターゲット(プログラムコード)を理解しようとしているのである。
少々乱暴な言い方だが、この世のすべてのものごとには、何らかのパターンが存在している。また、脳が何かを感知したり、理解したりできるのは、脳のパターン認識機能によるものである。そう考えると、ものごとを理解するということは、ターゲットにどんなパターンが使われているかを把握することと言い換えることができる。したがって、ものごとを理解しようとするときは、ものごとに内在するパターンの存在を意識しておくと、理解を早める近道になることもあるだろう。

アナロジーの扱い方について、さらに詳しく知りたい方は、本書を読むとよいだろう。


テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

すごい「実行力」 / 石田淳 著

意志や努力に頼って、行動しようとしてはいけない。実行力をつけるには、意志や努力に頼らなくても、行動できるような仕組みを作っておくことが大切である。
実行力とは、計画などを実行に移す力のことである。本書では、行動科学の知見を用いて、実行力をつけるための方法がわかりやすく紹介されている。

すごい「実行力」 / 三笠書房 / 石田淳 著

⇒ Amazon.co.jp で詳細を見る

実行力をつけるには、不足行動(望む行動、増やしたい行動)と過剰行動(止めたい行動、減らしたい行動)の2つの行動をコントロールできるようにならなければならない。つまり、不足行動を増やし過剰行動を減らすように行動をコントールすることが重要である。

不足行動を増やす方法
◎ 行動の動機づけ条件を作る。
◎ 行動の誘発条件を作る。
◎ 行動の障害を取り除く。

過剰行動を減らす方法 (※不足行動を増やす方法の裏返しである)
◎ 行動の動機づけ条件を取り除く。
◎ 行動の誘発条件を取り除く。
◎ 行動の障害を作る。

自分自身をボールに例え、「ボールを転がすこと=行動」と定義すると、次の図のように表せる。


動機づけ条件とは、「行動したくなる理由」のことである。動機づけ条件は、必要性と利点に分けられる。必要性とは、行動前における「行動したくなる理由」のことであり、利点とは、行動後における「行動したくなる理由」のことである。行動科学では、「(必要性と利点からなる)動機づけ条件があるから、人は行動する」としており、「動機づけ条件のない行動はありえない」とされている。
必要性については、行動によって自分は何を得ようとしているのかをはっきり意識しておくことが重要である。必要性は、目標ではなく、目標を達成するために必要な具体的な行動にリンクさせることがポイントである。
利点については、一般的に把握しにくいものである。利点は、行動後における「行動したくなる理由」のことだが、これは、「行動を繰り返したくなる理由」と言い換えることができる。では、行動を繰り返したくなるようなことは何か。本書では、例えば、ポイントカードの仕組みを利用することを薦めている。ポイントカードの仕組みとは、行動の結果を測定し、印をつけたりして楽しさを実感させることで、行動を繰り返したくなるようにするための仕組みである。
誘発条件とは、行動を起こしやすい条件のことである。
障害とは、行動を妨げる要因のことである。

一般に過剰行動を減らすことができずに続けてしまう理由は、達成感がすぐに得られるからである。容易に達成感を感じることができるため、同じ行動を続けてしまうのである。

計画通りに行動を起こせていないときは、上記のことをきちんと分析してみるとよいだろう。きっと、改善のためのヒントが見つかるはずだ。


テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

«  | ホーム |  »

プロフィール

endurance09

Author:endurance09

主にノンフィクション系(ビジネス、科学、ドキュメンタリー)を読みます。小説も読みます。たまに映画も見ます。

リンク

最新記事

月別アーカイブ

カテゴリ

ビジネス (5)
科学 (1)
ドキュメンタリー (4)
ドキュメンタリー小説 (2)
小説 (1)
エッセイ (1)
未分類 (0)

最新コメント

最新トラックバック

検索フォーム

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。